12月家族会の報告
参加者は12家族15名。今回はポールさんの5回目のお話しでした。
はじめに、相模原ダルク代表の田中さんより挨拶がありました。その中で「ポールさんの勉強会は、2~3年先を見据えてプログラムが組まれています。それは、今後、入所者が相模原ダルクを卒業した時に、家族自身も心身の回復をしたうえで待っていることが大切だからです。」と、家族会の重要さを指摘されました。ポールさんのお話しは、ポールさん自身が30年前に治療に繋がった頃のことからはじまりました。「今でも当時のことを鮮明に憶えています。それは、当時のことを思い出すことが大事だからです。当時は、医者には治せない、止められない病気(止めたくない病気)として多くの依存症者が死んでいった。今はちゃんとした治療が出来るようになっている。治療者は医者ではなく、本人たちであり、本人たちにしか出来ない。」
今日は、依存症の進行の過程を3段階にして説明されました。第1段階は「内面の変化」。本人も家族たちも気が付かない=無意識の内に、その時だけ勉強のことや家族のことを考えなくて済んだ段階。第2段階は「精神的な死」。コーヒー一杯で一日中パチンコをし続けるような、本来のノーマルな人格がアディクション人格に支配され、自己コントロールが効かなくなった段階。第3段階は「人生の崩壊」。以前のような安堵感・快感は1分間のみ! 一気に、ジェットコースターに乗ったようにどん底に向かう。「この病気のことは、どん底を体験し、回復した本人にしか解らない。私自身、治療から5年経ってようやく目の前から酒が消え、自由に仕事が出来るようになった。」「この病気の一番の特徴は、否認。本人も家族も、否認し、隠すことから始まった。依存症者は社会の犠牲者であり、それに家族も巻き込まれていった。治療は、本人と家族とを分け、別々にしていくことが大切。」「ダルクは回復への中間施設であり、12ステップなどを通して、社会復帰のトレーニングをするところ。」「回復の過程は、どん底→身体→脳→心→人間関係の回復です。」
ミーティングの後、スタッフの案内で、新たに借りたビルの5階を見て回りました。社会復帰に備えての宿泊所と全員の食堂。明るくきれいに使われていました。 (世話人・広瀬)