ポールさんの講師にて8月の家族会を行いました。
家族ミーティングの様子。
次回の家族会は9月24日(土)
13:30〜16:30
詳しい家族会の内容はこのホームページ内の
「お知らせ」のページにてご確認ください。
8月家族会報告
(2016年8月19日)
今回の参加者は23名で、うち2家族が初めての参加でした。
はじめに田中代表が挨拶のなかで、ケースバイケースですが基本的に家庭内で依存症が発症した場合、依存症者への「突き放し」が必要であり、そのためには家族と相模原ダルクがタッグを組んでの治療が必要です。また、なぜ「突き放し」が必要なのかを家族会やセミナーを通じて学んでいってもらいたい、と話されました。
ポールさん(相模原ダルク プログラムディレクター)
米国でも「12ステップ」(生き方のプログラム)をやっているミーティング会場に赴き、このプログラムから学んだことを日本に持ち帰り、横浜で始めたのが最初です。米国では既に80年前から、日本では40年前から自助グループによる「12ステップ」が行われていました。
12ステップを踏むことによって、なぜ今こうなっているのか自分自身の症状や病状がわかってきます。さらに、ステップを何回も繰り返すことにより、必ず依存症は回復していきます。
12ステップで重要なことは、考えているだけでは駄目であり、実行に移すことです。依存症は、一人では絶対に止められなく、本人が知らないうちに進行していきます。止めるのでなく、止め続けなければいけません。精神病院に入院しても上手く回復しなかったり、回復してもすぐにスリップしたりするケースがあり、ある意味、施設は止めるだけにあるものです。依存症は、「文化の病」でもあります。
家族の12ステップのうち<パート1>は、ステップ1から3に関するセミナーでした。
依存症に対する家族の3本柱は、①依存症という病気について正しく理解する。②適切な対応法を学ぶことで、実践できるようになります。③家族自身の心身の健康の維持でもありました。
<ステップ1>
私たちは依存症者に対して無力であり、生きていくことがどうにもならなくなったことを認めた。
依存症者に“無力”とは、①自分の起こした問題でない、②コントロールできない、③治すことができないことであり、家族に考える時間をもたらし、今までのとらわれから開放してくれます。依存症は進行する病気であり、高揚感、陶酔感を得ることから始まり、さらにそれらの快感を追い求めても得られなかったりしながら体質や人格が変化していきます。最終的にどん底状態へと人生が崩壊し始めます。まるで上昇と下降を繰り返すジェットコースターに乗ったように例えられます。
「脳の病気」+「感情の病気」=「依存症」。
<ステップ2>
私たちは自分より偉大な力が私たちを正気に戻してくれると信じるようになった(狂気から正気へ)。
今まで、依存症者を何とかしようとして行ってきた考えや同じ行動(イネイブリング)を繰り返しながら、きっと彼は依存を使わなくなるだろうと違った結果を期待しました(狂気)。しかし、依存症という病気を知ることで、自分の姿勢、考え方、行動を変えていくことで狂気から正気に戻り、日常の中心が変化していきます(正気)。家族が入り込んでしまうと、依存症者が家族を頼ってしまうためステップが効かなくなります。また、家族だけでは依存症を回復させられず、同じ病気を持っている者同士が回復へと向かわせてくれます。依存症を知らない他人や兄妹には話しても理解して貰えず、家族会のみで話すことが有効です。
<ステップ3> 私たちは意志と生命を自分で理解している神の配慮にゆだねる決心をした。
今までは、依存症者が本来自分自身でやるべきことを代わりにやってきたが、もう依存症者は家族の助けを必要としないことから、手放して(突き放し)自分で理解している神に預けることを学びます。もう反省は要らない、意味がないです。病気のことを話すことが大事です。他の人達が言っていることを聞き、学ぶにつれて物事が変わっていきます。何かが、何者かが、何か特別な存在が「平安の祈り」とともに私たちを導いていることに気付きます。何か今までと違った“大きな力”ハイヤーパワーが働き、病気がわかり色々なことに気付くようになります。
「平安の祈り」の意味を理解し、覚えて貰いたいです。
相模原ダルクのプログラムにすべてを任せることが、依存症の回復へと繋がります。
世話人 広瀬(渡邊)