3月家族会の報告
参加者は13家族20名(初参加は3名)
◆はじめに、真っ黒に日焼けされた田中代表より挨拶がありました。先日、インドネシアで開かれたNAの会議に参加されたとのこと。挨拶の中で「皆さんからの献金の中でスタートした町田市内のリカバリーセンターは、近隣地域の反対もなく、現在6名が入っています。入寮して回復のプログラムに取り組み1~2年経てば、一人部屋に移り、回復と就労の準備へ進むことになります。現在、入寮25名、入院3名、就労活動中2名です。」と報告がありました。続いて、皆さんに「相模原ダルク就労条件」と「お願い(入寮中の家族の対応)」の二つの資料が配られました。「本人はすぐに仕事をしたがるが、必ず失敗して戻って来ます。」「家族の対応は、決して家に入れないこと! これは、30年前のダルクのスタート時から続いています。最初は誰でもダルクを嫌がります。」と語られました。
続いて、3名の入寮者の方々から、それぞれの体験談が語られました。危険ドラッグ、覚醒剤、アルコールの依存症からの回復を目指しています。
◆Aさん(危険ドラッグ)…薬との出会いはアルバイト先の先輩から。興味本位だった。はじめは仲間と吸っていたが、単独で吸うと自分の世界に入れた。専門学校を卒業して一人暮らしをはじめてから、解放感で弾けた。アッパー系とダウナー系を使い分けていた。当時は合法ハーブ、脱法ハーブと呼ばれ、大丈夫だと思っていた。しかし、どんどん生活は崩れ、狂っていった。水風呂に入ってシャンプーし、カップラーメンばかり。そのうち水かプリンしか喉を通らず、吐いていた。今より30キロも体重が減っていた。そんな生活が二ヶ月続いた後、スマ―プの認知行動療法に出会ったが、薬は止まっていなかった。そして交通事故(薬所持)! ニュース、新聞沙汰になった。母と姉に連れられて行った「ノードラッグ警視庁」。初めて田中さんに会い、面談した。その後、仕事先でアッパー系を使い命が危険になった時、母が迎えに来た。家には向かわず、母は、福祉センターに来ていた田中さんの所に連れて行った。田中さんの車で、そのまま無理やりにダルクに入寮させられた。ダルクに入った時は、仲間を見て「俺はこの人より大丈夫。俺の方が仕事出来る。」と考えていた。仲間もルールも嫌いだった。今は、嫌いな仲間は居ない。何で変わったのか? 風呂や食事など普通の生活が出来ているから。そして、仲間が居るから薬が止まっている。社会で学べないことがダルクで学べた。嬉しい! 最後に、お母さんに一言。「2年です!」
◆Bさん(覚醒剤)…ヘロイン以外ほとんどやってきた。一番ハマったのが覚醒剤。1回目でキタ!今まで感じたことのない高揚感。親に何度もバレながらも、それでもバレないように使っていた。3日起きていて1日寝る生活。やがて、幻覚、幻聴が酷くなってきた。(親がカッターを持って部屋の外で待っている!「殺すぞ!」と言っているのが聞える!)遂に親から「病院か施設か、どっちに行く!」と突き付けられ、最初のダルクに入った。しかし、そこでもうまくいかず、施設長と知り合いの田中さんが相模原ダルクに入寮させてくれた。一人じゃ絶対に止められない。いろんな依存症の仲間が居て、嫌なこともあれば良いこともある。一人じゃないから止め続けている。自分のことはよく解らなかったが、他人のことはよく見え、よく解る。ダルクに繋がって良かった。今は仲間に何でも話せて楽になれる。薬の再使用をストップさせているのは、愚痴をこぼせる仲間の力。仲間のお蔭。最初の頃は早く出ようとしていたが、今は一日一日を大事にしている。ダルクを出てからも、それを大事にしていきたい。(田中さんからの言葉…新しく入ってきた仲間の姿にかつての自分を見る。自分を大切にしてこそ、他人を大切に出来る。)
◆Cさん(アルコール)…自分が3才の時、親父は酒で死んだ。31才だった。こどもの頃、夜は一人になっていた。母は水商売。夜遅く酒臭いまま帰ってきて起こされた。兄は、隣の部屋で友達とシンナーを吸っていた。高校入学式は酒臭い状態で行った。社会に出てからは、酒を飲むと、仕事に行けなくなり、友達と喧嘩をし、事件を起こしていた。当時、母からのメモに「酒はほどほどにしな。」書かれてあった。嘘をつくために飲み、嘘をついて生きていた。そしてホームレスになった。一週間に5回も救急車が呼ばれる中、精神病院に入院。抗酒剤を飲みながら酒を飲んだ患者が2人死んだ。自分は、笑うことも泣くこともなく、感情を無くし人形のようだった。強制退院となったが、一ヶ月間飲み続け、眠らなかった。そして、公園で倒れた。行く所はココ(ダルク)しか無かった。精神病院は入れてくれなかった。それなのに気が付いたら焼酎を飲んでいた。その時、ようやく「自分はアルコール依存症の病気なんだ。」と自覚した。他人のスリップ、その仲間の姿を見て、自分は今、止まっている。今は仲間と嫌なことがあっても、逃げずに、好きになろうと心掛けるようになった。両親は天国、兄とは絶縁状態です。自分をゆっくり見守ってください。
最後に田中さんから、「ダルクでは、相談する、嘘をつかない、約束を守る、そして上下関係は大事にすることを日常生活のルールにしています。」と締めくくられました。
◆ミーティングのはじめに、自死で亡くなられた方を悼み、黙祷を行いました。ミーティングの後、世話人からお花見への参加が呼びかけられました。4月1日、ダルクスタッフ、福祉センターの家族会の方たちと合同で、城址公園の桜を観に行く予定です。 (世話人 広瀬)