<8月家族会報告>
2017年8月19日
☆8月19日㈯ ポールさんのお話し(相模原ダルク プログラムディレクター)
☆参加者:8家族11名
「待っている間に皆さんの笑い声を聞いて、ずいぶん変わったなぁと思いました。笑える状態じゃない、どうしてくれるんだ、というのが最初でした。」
依存症の本人も家族も、これが病気だと解るまでにすごく時間が掛かります。病気とは関係ないと思っています。その間に、周りの人々を次々に巻き込んでいきます。
もともと、依存症の回復のためのプログラムは、本人たちが一生懸命努力して、研究して、82年前に完成させたのです。中身は一字一句変わっていません。もちろん、社会は変わってきていますが原理は一緒です。病気なので、きちっとしたプロセスで治療しないと駄目です。母親が、父親が悪いわけではありません。
依存症者には、回復し続ける『正気の道』を選ぶのか、『失敗の道』の道を選ぶかの二つしかありません。私は、30年間回復し続けています。回復のプロセスである『正気の道』は、12ステッププログラムを学び、病気の自分を知ること。正直、やる気、何でも話す開かれた心を通して、グループセラピー(仲間の力で治療していくこと)と行動(大事!)を実践していきます。『失敗の道』は、古い生き方にしがみつき、病気の自分を知ることなく、不正直(うそ)、恐れ、不安、絶望、後悔の中で、自分一人でやろうとして、否認、罪意識、引きこもりを繰り返していきます。
依存症者は、『依存症の文化』の中に入ってしまうのです。飲むこと、使うことを当たり前とした文化。知らないうちに悪い習慣や知識を身につけ、恥や罪意識が薄れていきます。嫌なことは忘れていきます。『回復の文化』は、飲まない、使わないことを当たり前とした文化。全てを見直し、<仲間の力>を使って習慣を変えていく訓練をしていきます。これは、世の中の文化のことではなく、自分が作った、自分の身についた文化(考え方、習慣、行動、家族、仲間)のことです。自分の身についた『依存症の文化』を見直して、『回復の文化』に変えていくことです。家族は、本人に『常識』という言葉だけは、絶対に使わないでください。同級生と比較しないでください。
家族は、依存症という病気に巻き込まれたのだ、ということを理解して、楽になって良いのです。行動です。ブラウスを買い、テニスクラブに通いましょう。」 世話人 広瀬