<2020年6月家族会報告>
6月20日(土)1時半~5時。15名参加(14家族)
講師:相模原ダルク代表 田中秀泰 (パワーポイント使用)
高澤:3月から5月までコロナウィルスの関係で家族会も中止せざるを得ませんでした。緊急事態宣言も解除となりましたので、今月から再開することにいたしました。再開にあたっては予防を策は万全を期しておりますので、どうぞご安心下さい。
田中:やっと家族会を開けまして、本当に喜んでおります。ご家族の皆様も大変なことだったろうと思います。ダルクの方は皆健康でやっております。現在43名です。1月末から新型コロナのことで大変でした。消毒から手洗いウガイからマスクまで、いろいろ。外部の活動は、病院メッセージも精神保健福祉センターも休みとなりましたが、北里大学病院のプログラムだけは継続していました。
僕も覚醒剤依存から回復した当事者ですが、3月でクリーン10年をむかえました。僕らは努めてステップ1に戻るということをしています。何か辛いことがあった時、仕事の挫折があったり、失恋があったりしますよね。10年前僕もどうだったか。本当に辛い思いをして、ダルクにたどりついてプログラムに出会って、ダルクを作ってここまで来て。ステップ1の頃を考えればこんなコロナのことなんかと思います。ご家族にしてもまだ刑務所にいるとか、まだダルクに来てくれないとか、ご近所にどういう目でみられているかとか、寝ている息子を見て殺したくなったとか、いろいろ家族会ではお聞きしますが、ご家族も本当に無力、ステップ1ですね。それを思えばコロナのことなんか。(コロナはまだ終わっていませんが)乗り越えたことはすごく力になると思います。その意味で僕の体験談もお話しして、こんなひどい人が回復したかと思っていただければと思います。
この前車の話をしました。回復とはどういうことかというと、お子さんが薬で仕事がダメになった、離婚した、刑務所に行った等々。それは車の故障に例えれば、タイヤだけ交換すればまた走れるから、と思うかもしれません。でも僕らは言います、車は乗り換えて別の車で走りましょうと。そしてクリーンが3年になった5年になったとします。酒も薬もギャンブルも全部できないです。全部手放して長期離脱症状に取り組みます。やはり3年ないし5年たったら、外に仕事に出る、携帯を持つということがあります。卒業して実家に帰るとか。ずっとストイックな生活してきた子です。どこかでドリンク剤(微量のアルコールを含む)くらいいいんじゃないか、風邪薬(微量の麻薬成分を含む)くらいいいんじゃないかと思ってしまいますね。いわゆる治っちゃった病が出ますね。それを防ぐために、ダルクのミーティングでは毎回これを読みます。
「回復する人と回復しない人の10か条」(抜粋)
回復する人は途中で壁にぶち当たっても、成功するまで挑み続ける。
回復しない人は、すぐに諦めてしまう。あるいは挑戦をしない。
回復する人は「まだまだ回復したい」という。
回復しない人は「これだけ回復すれば良いだろう」という。
回復する人は、自分よりも回復している人を尊敬している。
回復しない人は、回復している人を心のどこかでバカにしている。
回復する人は、仲間に感謝の気持ちをもっている。
回復しない人は、「仲間が回復の邪魔をする!」と仲間にうらみごとを言う。
回復する人は「もっと多くの回復を他の仲間に」と願う。
回復しない人は「今のままでもそれなりに回復している」と思い込もうとする。
あなたは回復者思考ですか? それとも依存者思考ですか?