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4月家族会の報告

◆参加者は16家族24名(初参加は5家族8名)。

◆ポールさんの7回目のセミナーでしたが、今回は特別にポールさんご夫妻によるセミナーとして行われました。いつもより多くの質問にも、解りやすく答えていただきました。

◆テーマは家族のかかわり方。今まで学んできた「家族の3本柱」を、パワーポイント(画面表示)を使って、練習課題も含めて具体的に丁寧に教えていただきました。「家族の3本柱」とは、1.依存症という病気について正しく理解する(家族自身がこの問題に対して間違った認識を持っている) 2.適切な対応法を学び、実践できるようにする(イネイブリング=病気を支えてしまう行動 を止めてからどうしたらいいのか?) 3.家族自身の心身の健康の維持(共倒れにならないために)の3つです。

◆1.依存症という病気について正しく理解する。

依存状態の脳とはどういうものなのか説明されました。薬物、酒、ギャンブルなどによって、本能をつかさどる部分(大脳辺縁系)に強い信号が幾度も加わり、暴走状態となっている。ここはもう変えること(治療)が出来ない。さらに、考えたり判断したりしてその暴走にブレーキを掛ける部分(前頭葉)が故障している。そのために暴走にブレーキを掛けられなくなっている。もっともっとの反応に対して、自分の意志では止められなくなっている状態です。反省はしても再び繰り返してしまう。しかし、依存症からの回復のプログラムに取り組むことによって、前頭葉を強化することが出来る。ここを治療する。ブレーキの故障を直して暴走を食い止めることが出来る。

つづいて、依存症の進行のプロセスについて説明されました。何が起きて行くのか? 第一段階は「内面の変化」。つらい時、気分の変化を求めて薬、酒、ギャンブルなどのアディクション行為に手を出した。そのことにより、その時は楽になった。しかし、無意識の内に本能の部分にその体験が書き込まれていく。本人は、自分の人格が本来のノーマルな人格からアディクション人格へ変化し、自分がますますアディクション行為に依存していく体質に変化していることに気が付いている。しかし、後ろめさから周りの家族には言えない。嘘をつき、言い訳ばかり考えている。第二段階は「ライフスタイルの変化」。自分のやっていることを正当化しようとする。「つらい時は使えば楽になるさ!」 しかし、脳に耐性が出来ていくことによって量も回数も増え続けていく。周りも気付いていく。本人が何とかしようと思っても、そうならなくなってきている。気が付けば、自分で自分の行為をコントロール出来なくなっていることへの恐怖。第三段階は「人生の崩壊」。アディクション行為によっても安堵感や快感は得られない。逆に苦痛だけが大きくなっていき、そのことによってストレスが大きくなっても止めることが出来ない。本人の力では回復できない。

家族の介入、そして回復のためのプログラムが必要となって来る。自助グループ(NA、AA、GAなど)の中で自分にも相手にも正直になる。回復のための12ステップに徹底して取り組む。アディクションを認める。事実を深く受け入れる。そして、人を信頼することを学ぶ。

◆2.適切な対応法を学び、実践できるようになる。

家族が陥りやすい行動パターンが説明されました。始めは、世話焼き、おせっかいで本人を救っていると思い込んでいる「救済者」。次は、それなのに本人が立ち直ってくれないことに腹を立てつつも、なだめたりおだてたり、叱ったり責めたり、ついには怒りをぶつける「迫害者」。そして最後に陥り、ハマりやすいのが、自分の力の無さを嘆き、心は傷つき、自分を惨めに思う「犠牲者」。

家族の陥りやすい罠と脱け出す方法を9つに分けて説明されました。(皆さんが頷いていました)

例えば、「感情的になりすぎる」→「相手は感情、こちらは理性」(相手はブレーキが故障している)。

次いで、練習問題を隣の席の人と組み、本人と家族になって、「私」を主語にして言う、「簡潔に」言う、「具体的に」言う、自分の感情に名前を付けるなど、幾つかの例題をやってみました。例えば、「具体的」に言う…「毎日毎日、ダラダラしていないでちゃんとしてよ!」→「朝7時に起きて一緒に朝ご飯を食べよう」。例えば、「自分の感情に名前をつけよう」…相手の帰りが遅い時、最初の「帰りが遅い! 私の気持ちわかる!」から、「怒りの感情」だったことを知り、それは「相手を待つ哀しさ、不安、心配、相手を大事に思う気持ち」から出ていたことを悟る。自分の感情の整理と、陥りやすい負の感情を知る。「プルチックの(8つの)感情の輪」という理論だそうです。

◆3.家族自身の心身の健康の維持

まず、「助けを求めてください!」 と話されました。どうしていいかわからない混乱した状態から、家庭の外に助けを求めることによって、知識を得、病気を認め、仲間を作り、適切な対応を身につけ、本人への干渉を止めて自分自身への問題に取り組み、新しい希望が生まれ、変化し、道が開け、経済的安定へ一歩踏み出す回復へとつながる。支援施設、自助グループ、カウンセリング。相談できる友人。一人で悩まない! いろんなところから他人の力を借りる。

◆質問の中では、家族の対応として、「相手が再び『うるさい!』と言ってきたらどうしたらいいのか?」と心配する家族に、「相手には、とりあえず、いつもと違う家族の気持ちを『アイメッセージ』で伝えた。それだけでも良い。」とアドバイスされました。あっという間の2時間でした。

◆ミーティングの前に、会計担当の守屋さんからの会計報告をもとに、世話人より一年間の家族会の会計報告がなされました。家族会に参加された家族の方々から集められた会費は、講師への謝礼金、家族会通知案内の郵便代、家族会パンフレット制作やエイサーのDVD制作などの費用に使わせていただきました。

なお、4月1日のお花見は、ダルクスタッフは都合が付かず不参加となりましたが、福祉センターの家族会の皆さんと一緒に、八王子・滝山城址公園で開かれ、13名の家族の方々が参加されました。かつての戦場の跡は今、見事な桜の名所の一つとして知られ、憩いの場となっています。満開の桜の下で車座になってお弁当を広げ、一人ひとりくつろいだ中で、お互いの気持ちを語り合いました。

(世話人 広瀬)

 

 

2016年5月6日

相模原ダルク家族会の皆さまへ

再度の献金へのご協力のお願い

先日は、相模原ダルク町田寮の新設のため、献金のご協力をいただき、ありがとうございました。献金の総額は13万円となりました。皆さまのお陰で、相模原ダルクは町田寮への新たな入寮者を含めて、現在入寮者27名が依存症からの回復のプログラムに取り組んでいます。

 

しかしながら、今回の町田寮の新設にあたっては、契約金、運営資金として総額80万円の費用が掛かりました。そのため、相模原ダルクより、再度の献金へのご協力の依頼がありました。

 

相模原ダルクへは以前にも増して、入寮を望むさまざまな事情を抱えたご家族の相談が寄せられています。毎月の家族会に参加されるご家族も発足時の二倍に増えました。そして、その約半数のご家族は、依存症本人を依存症から回復させるためにダルクへの入寮を望んで相談中の方々です。相模原ダルクを支援するため、今回の再度の献金依頼に、家族会は再び応えて行きたいと思います。

 

「依存症」と言う病に巻き込まれ、崩壊寸前に追い込まれていた私たち家族。必死に助けを求めた私たちに、手を差し伸べてくれたダルク。自らの依存症からの回復という長い道のりを経て、全国でダルクを立ち上げている回復者の人たち。依存症回復支援施設としてのダルクの役割は、ますます重要になってきています。そして、今なお多くのご家族の方々が、「助けてほしい!」とダルクに相談に訪れ、家族会に入り、本人を回復のプログラムに繋げようとしています。切実な思いでダルクへの入寮を望んでいます。しかし、まだまだダルクの施設は足りていないのが実情です。

 

相模原ダルクは、2014年3月に設立され、翌2015年5月に家族会が発足しました。相模原ダルクの活動は、まだスタートしたばかりです。相模湖に一戸建てを借りて活動をスタートさせ、その後、相模原市中心部にデイケアセンターを開設し、今また町田市内に一戸建てを借りて新たな活動に入っています。今後、更に多くの依存症の本人たちを、もっと幅広く回復のプログラムに繋げようと前に前にと進んでいます。その一方で、同居、失踪、結審、出所など、さまざまな事情の中で一刻も待てないご家族の方々が、私たちと同じように、相模原ダルクに入寮の相談に来ています。

 

そうした中で、新たに寮を増やして、更に一歩踏み出した相模原ダルク。苦しい時の相模原ダルクへの具体的な支援、それは私たち家族会の大事な役割の一つだと思います。

 

是非、今回の「再度の献金へのご協力のお願い」の趣旨をご理解いただき、改めてご協力をお願いする次第です。一人でも多くの方々にご協力していただけるよう、心よりお願いいたします。

相模原ダルク家族会世話人 広瀬昌之

 

 

目的:相模原ダルクが、入寮者の増加に対応するため、町田市内に町田寮を開設しました。

   約80万円の費用が掛かり、その運営のために資金援助を求めています。家族会としては、

   家族会の皆さま個々人からの献金として応えていきます。

対象:相模原ダルク入寮者の家族、入寮相談中の家族、相模原ダルクに助けを求めて居られる家族の

   方々。

献金方法:銀行振込 (振込手数料が掛かります。)

銀行名:三菱東京UFJ銀行  支店名:恵比寿支店  普通口座  口座番号:1844956

口座名義人名:タナカ ヒデヤス