<3月家族会の報告>

 

30年3月17日 午後1時半~5時 22名(19家族)参加

 

田中代表挨拶:ポールさんは、僕の回復のきっかけを作ってくれた師匠です。ステップ1に戻るといいますが、ポールさんの話は何度聞いても初心に戻ります。8年前、こんがらかって自分の力でやめられと思っていた自分を思い出します。ぜひしっかり聞いて何でも質問してください。なお4月15日にはダルクと家族会と合同で花見をする予定で計画中です。ぜひご参加下さい。

 

講演:相模原ダルクプログラムディレクター、ポールさん (抜粋)

・依存症は否認の病です。最後まで自分は違うと、信じている病気です。

・薬やアルコールをやめて3年たつと少し落ち着いてくるものです。

・病気だということが入りませんと回復しませんよ。

・私は今年32年ですが、国立の病院でもどうにもならなくて、施設を回って回復が始まった。

・当初はスーツ着た者なんて来なくていいと言われたし、家族会なんてまったくなかった。

・私は医者でもなくただの依存症本人です。24才で東京に出て家族を両親も巻き込んで病気が進みました。

・だらしない、意志が弱い、人間がくさっている、道徳的でない。・・・違います。

・治療すれば治りますよ。28年、29年も回復している人はいます。治療しなければ治らない。

・依存症は人間的な成長を妨げる病気だ。唯一の問題解決の道は依存物質だ、と思ってしまう。

・依存症は社会と人間関係から壁を作る。人からうるさがられる。社会的引きこもりになる。

・病気なのにいつのまにかダメ人間というスティグマ(烙印)を押されてしまう。プライドがズタズタになる。

・脳の病気+感情の病気=依存症。

・ストレスや怒りやスティグマからくる自己憐憫、こんなのが燃料になって、沸騰して病気が爆発する。

・依存症者とは、時限爆弾を抱えた人だ。

・やめてからが問題。アメリカの施設に行ったら、「やめるのは始まりにすぎません」と言われた。

・やめた後にPAWS(長期離脱症状)が続く。これが発見されてから回復率がぐっと上がった。

・PAWSといわれる睡眠障害、記憶障害、思考障害、感情障害、いろいろな精神身体症状が出る。

・PAWSから回復するのに3年はかかる。

 

・家族のかかわり方の3本柱があります。①依存症という病気を徹底的に理解すること。

・②適切な対応をすること。でも家族だから巻き込まれるのは当然です。

・③家族自身の健康の維持を大切にする。巻き込まれて疲弊して家族が病気になることもあります。

・本人と病気を区別すること。本人と病気を、切り離して理解すること。

・家族が気づく10年前くらいから病気は始まっている。

・家族の行動パターン、救済者、迫害者、犠牲者。三つの役をぐるぐる、回ってしまう。

・大切なことは、原因を探さない。責めない、なじらない、説教しない。

・回復には時間がかかるものと受け入れて、じっと待つ。

・家族のしすぎる罠。①先にいいすぎる。②言葉が多すぎる。③正しい事を言いすぎる。

・家族のしすぎる罠。④答えを出しすぎる。⑤相手のあらが見えすぎる。・・・

・家族が支援者としての力をつける必要があります。そのために

・①まず自分自身を知り、セルフケアをできるようにする。家族の生活の質が大切。

・②独断で決めないこと。カウンセラーや先行く仲間、関係者などとよく相談して動く。

・やめてから3年はかかるのです。1年なんかじゃ治りません。しかし解決するのです。

・共倒れは最悪。家族は家族で幸せになってよいのです。

・本人の回復を信じて、本人のことは本人に任せること。

・依存症者の家族の回復の過程

・➀家庭の外に助けを求める→病気についての正しい知識をもつ→否認を解く。

・②仲間を作り孤独感をなくす→適切な対応を身につける→本人への干渉を止める。自分自身に注目する。

・③現実を見つめる勇気・希望。→身体的・精神的変化→新しい生き方への道が開ける。

文責:伊藤